患者様の『聞きたい』に本音で答えるプロジェクト

歯科経営の新時代を切り開く“経営コンダクター”の
アプローチCEOの中村浩介様をインタビュアーに迎え、
高井歯科クリニックの歯科診療について
取材を受けた様子を掲載してまいります。

#2 副院長 高井靖子 アプローチ社CEO 中村浩介

歯周病・メンテナンス編

歯みがきをしていると時々、すこし血がでます。 たまになので放っておいたら、 だんだんと食べ物が詰まるようになってきた気がするのですが、関係はありますか?
  1. やや、わかりますよ。歯みがき終わりの「ペっ」で血がまざってること、ありますよね。痛くないし、「みがくの強かったかな?」で終わりにしちゃうパターンですよね。
  2. ダメなの、わかりますよね?
  3. 私はわかりますよ!でも、そのままにしてしまう方は多いと思います。
  4. それが歯周病の怖いところなんです。
    実際、ほとんど痛みがなく、徐々に進行してくるので。
  5. 虫歯はシミたりズキズキ痛かったり、歯が黒くなるからわかりやすいですけど。
  6. そうですよね。中村さん、砂場で山をつくって遊んだことはありますか?
  7. はい!子どものころにやっていました。山の下を掘ってトンネルを開通させていました。(笑)
  8. さすがですね。(笑)
    その砂の山に、木の棒をさして、山の周りを手で削っていって倒したら負け!みたいな遊び、やりませんでした?
  9. やりました。
  10. 歯周病は、それと考え方は同じです。歯が木の棒だとして、どんどん周りが削れていってしまう。
  11. こわいです。そしてさすが、衛生士学校で先生をされているから、例えがわかりやすいです。
  12. ありがとうございます。学校の先生の経験もすこし長くなってきましたので。
  13. 今日のテーマは歯周病なので、日本歯周病学会の認定歯周病専門医である副院長にお話を伺ってまいります。よろしくお願いします。
  14. よろしくお願いします!
歯周病になると、どうして土台の骨が溶けるのか?
歯周病になると、どうして土台の骨が溶けるのか?
  1. 初歩的な質問かもしれませんが、虫歯が歯を溶かす。歯周病菌が土台の骨を溶かしているという理解でいいですか?
  2. 実は、そう思われがちなんですけど、歯周病は違うんです。
    歯周病菌が直接、歯の骨を溶かしているのではなく、歯周病菌が歯ぐきに炎症を起こした結果、それが引きがねとなって、骨が溶けちゃうんです。
  3. なるほど。あ、だから“歯ぐきがブヨブヨ”とかいうんですね。
  4. そうです。歯周病菌は、歯と歯ぐきの間の歯周ポケットが大好きです。
    虫歯菌とちがって、こっそり隠れるのが好きなんですね。
  5. 菌にも性格があるみたいですね。あれ、虫歯菌は確か糖分が好きだったと思いますが、歯周病菌も好きなものがあるんでしょうか?
  6. さすがです。歯周病菌が好きなものは“鉄分”なんです。鉄分が好きなので、歯周ポケットに入り込み、歯ぐきを内側から傷つけて、血を出しているんです。地血には鉄分が多く含まれますからね。
  7. え!だから血がでているんですか。恐ろしい…。そしたら、ある意味、“血が出たら歯周病菌がいます”みたいなものじゃないですか。
  8. なので、ほっておいたらダメということです。歯周病菌が増えると、身体は「バイキンがいるぞ!」と戦おうとして、炎症になります。その戦いのときに、破骨細胞という骨を溶かす細胞が活躍してしまうので、結果として溶けてしまう、ということです。
  9. 歯周病菌が直接、骨を溶かしてはいないにしても、原因になっているということですね…。
  10. そういうことです。
『対 歯周病』には何をすればいいのか?
『対 歯周病』には何をすればいいのか?
  1. 歯周病菌が何をしているのか、よくわかりました。でも、ふとした疑問なのですが、歯周病菌って生まれたとき、最初からいるんですか?
  2. はい、その点は虫歯菌と同じで、生まれたときはいないんですよ。
  3. あ、わかりました。あれですね。親だったり、周りからの唾液から移る仕組みですよね?
  4. そうです。やはり、子どもに同じスプーンをつかって「あーん」することは避けた方がいいでしょう。目安としては、3歳ぐらいまで避けたほうがいいと言われています。みなさん、そのあたりの理解はだいぶ深まっていますね。
  5. なるほど。では、なってしまったら、どうすればいいのでしょうか。いてほしくないので、ゼロにしたいですよね。
  6. なってしまったら、減らすことはできても、ゼロにはできないんです。ですが、ご自身の日々の歯磨きや、私や衛生士のプロのクリーニングで菌を減らすことはできますので、少ない状態を保つことが大切です。
  7. いなくならないのは残念です。歯科医院にいくタイミングの目安などありますか?例えば、目に見えるところだと、“血がでた”みたいに。
  8. 血がでただとわかりやすいですよね。あと、起きたときに口がねばついているとか。でも、実はそれだとすこし進んでいるケースもあるので、とにかく健康そうに思えても、健診していただくことをオススメします。
  9. なぜだか、私は大丈夫みたいな根拠のない自身があります。
  10. 実際、歯周病にかかっているヒトは80%以上いると言われているので、逆にまずかかっていると考える方が自然かもしれませんね。
  11. 80%って…高い。
  12. ですので、まず健診でお口の環境を知り、どんなリスクがあるか知っておくと安心ですよね。
  13. 骨が溶けちゃってからだと嫌ですからね。
メンテナンス、クリーニングを受けるとどうなるのか
メンテナンス、クリーニングを受けるとどうなるのか
  1. いままで、虫歯にならなければ歯科医院にいかなくていいと思っていました。
  2. 中村さんのような方がほとんどだと思います。これまでは世の中に虫歯も多かったので。
  3. 虫歯、減っているって聞きます。
  4. うれしいことで、実際に減っています。歯ブラシの進化や、みなさんの歯みがきの意識が高まっていることがでていますね。
  5. 歯を削られるあの、“キーン”という音もイヤですし。(笑)
    虫歯菌のように、歯周病も減ってくれるといいのですが…。
  6. 歯周病は自覚症状がないことや、自分で歯をみがいても取りのぞけない菌という特徴がありますからね。
  7. 歯周ポケットにいるっておっしゃっていましたもんね。
  8. そうです。さらに、歯周ポケットで菌たちが勝手に家なるものを建て始め、居心地のいい環境をつくり住み始めます。その塊をバイオフィルムといいます。
  9. なんだかもう、菌の塊とか嫌です。その塊から攻撃されるわけですよね。家というより、要塞じゃないですか。
  10. ほんとに、いやですよね。その要塞をさらにパワーアップさせてしまう要因が、タバコや糖尿病です。
  11. こちらのガードが弱くなるから、やられやすくなる。と。
  12. そうです。私はよく、シーソーに例えます。体の免疫君が片方で、もう片方は歯周病陣営です。骨が溶けない状態が、免疫君側が下にいる状態なのですが、タバコや糖尿病、歯周病菌の量が増えると、そっちが重くなって。
  13. 免疫君が上にビョーンと。歯周病陣営が下にズシッと。
  14. そうです。そうならないために、歯周病菌を定期的に減らすメンテナンス・クリーニングをプロにやってもらうことで、シーソーが傾くのを防ぐ。というわけです。
  15. ものすごいメンテナンス、大切じゃないですか。ただのお口スッキリじゃないんですね。
  16. そうです。そういった専門的な知識をもったプロに、だいたい2から3ヵ月ごとのクリーニングをすることで、骨が減っていくことは防げます。もちろん、日頃の歯みがきも大変大切です!
  17. いや…、なんなら2、3カ月も長い気がしますよ。でも、スパンとしては最低でも、美容室にいくぐらいの頻度で、歯科医院にいくと決めた方がよさそうですね。
  18. そう思います!
  19. いや、歯周病のイメージがガラッと変わりました。血が出るのを軽く考えてました…。
    先生、今日はどうもありがとうございました。
  20. ありがとうございました!

IMPRESSION 取材の感想

私が子どものころ、「虫歯に気をつけて」というフレーズが頭に残っているが、歯周病というとんでもない病気が潜んでいることを思い知らされた取材となった。取材の中でも触れたが、これからは定期的にメンテナンス・クリーニングをしてもらうために、“美容室と歯科医院の予約する”ことをオススメする。

また、今回取材をさせていただいた副院長は、女性の歯科医師ながら“日本歯周病学会の専門医”を取得している、大変、数少ない歯科医師のひとりである。また、調べたところ、女性で歯周病専門医の数は、歯科医師全体の1%に満たない計算だった。近年では、「女性の歯科医師の方に診てもらいたい」と女性の患者側からの指定も絶えないようなので、予約の際は、早めに抑えることをオススメする。

<対談者:中村浩介(なかむら・こうすけ)氏 プロフィール>

アプローチ 創業者 / CEO日本大学卒業、歯科用ユニット、インプラントメーカーにて歯科業界に精通を始める。その後、ロサンゼルスに渡米しロングビーチ空港にてパイロットも経験する。帰国後は歯科経営と医療業界の働き方に精通し、歯科経営コンダクターアプローチを設立する。訪問した歯科医院件数は3000件以上を越え、47都道府県の歯科医院を訪問し経営ノウハウだけでなくモチベーションセミナーを実施するなど各地にわたって活躍し、クリニック経営のプロとして著者としての執筆活動も行っている。近年では、医療・保育業界など業界の垣根を超えた相談が寄せられている。

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